読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日刊オレラ

極上のひまつぶせるマガジン!

【映画】”あの”ヒーローを完璧に再現した名作! 「HK 変態仮面」(2013) 感想



ぷらすです。

今回ご紹介するのは2013年の日本映画「HK変態仮面」です。

漫画原作の実写化で、低予算映画ながら主人公である変態仮面の再現度の高さで話題になり、2013年5月3日に公開された台湾では、週末興行収入ランキングで『アイアンマン3』 ダニー・ボイル監督の最新作だった『トランス』に続く第3位という大ヒットを遂げました。

 

http://ecx.images-amazon.com/images/I/91DnJY8PNAL._SL1500_.jpg

出典:http://www.amazon.co.jp/

 

概要

1992年より1993年まで週刊少年ジャンプにて連載された、あんど慶周原作のマンガ『究極!!変態仮面』の実写化。
原作のファンである小栗旬の声かけで映画化が実現。
主演は「花子とアン」「天皇の料理番」などに出演し、人気俳優となった鈴木亮平、監督 脚本は「勇者ヨシヒコと魔王の城」の福田雄一。
また脚本協力として小栗旬も本作に関わっている。

 

あらすじ

色丞狂介は敏腕刑事の父とSM女王の母の間に生まれた、ごく普通の高校生。
そんなある日、クラスに転入してきた美少女の愛子ちゃん(清水富美加)に一目惚れ。

その日の帰り道、狂介は偶然にも、強盗グループがビルに立てこもっている現場に遭遇、人質の中に愛子ちゃんを発見する。

彼女を助けるためにビルに侵入するも、犯人グループの一人に見つかりそうになり、正体を隠そうと、たまたまロッカーの中にあった女性用のパンティーを顔面に被る狂介。
その瞬間、両親から受け継いだ受け継いだ変態の血によって潜在能力が発揮され、超人的パワーを持つ「変態仮面」へと変身した狂介は生まれ持った身体能力と変態技で強盗グループを倒し、見事、愛子ちゃん達を救出する。
その日から、高校生とヒーローの二つの顔を持つことになった狂介は、学校の下に眠る財宝を狙い、学校を支配しようとする大金 玉男(ムロツヨシ)率いる悪の軍団から、学校と愛子ちゃんを守るため戦うことになるのだった。

 

感想

僕が最初に「究極!!変態仮面」の実写映画化の話を知ったのは、ネットのニュースだったと思います。(多分ニコ動)
その時に真っ先に思ったのは「誰得だよ」でした。
「究極!!変態仮面」は、 1992年より1993年まで週刊少年ジャンプにて連載された、あんど慶周さん原作のマンガです。

 敏腕刑事の父とSM女王の母の間に生まれた色丞狂介は女性のパンティを被ることで、両親から受け継いだ変態の血が覚醒。潜在能力が発揮され、超人的パワーを持つ「変態仮面」へと変身する異形のヒーロー。

パンティーを被り、ブーメランパンツの両端を引っ張ってクロスさせて両肩に掛け、ガーターベルトに網タイツというエキセントリックなスタイルと、数々の変態技、また「それは私のおいなりさんだ」等の名(迷?)台詞で小学生男子のハートを鷲掴みにした、カルト的人気の漫画です。

 もちろん、変態と言っても少年週刊誌に載るマンガですから、あくまで小学生男子がキャッキャ喜ぶ程度の内容だし、他の王道ジャンプ作品とは違い、あくまでイロモノ的なナンセンスギャグマンガだったこともあって、その存在は連載終了とともに忘れられていった訳です。

 それが、連載から19年も経って突然の実写映画化。

当時、ジャンプを読んでいた小学生たちも今は立派な大人ですし、今の少年たちは当然「変態仮面」なんて知るわけも無く、一体誰に向けて作られる映画なのか、作ったところで一体誰が喜ぶのかさっぱり分からない、まさに「誰得?」状態でした。

しかもネットニュースを読んでみれば、俳優の小栗旬さんが言いだしっぺらしいと。

小栗旬さんと言えばマンガ好きで有名な人で、中村光のマンガ「荒川アンダー・ザ・ブリッジ」の実写化でも、河童の村長役に自ら名乗り出たり、「宇宙兄弟」実写版では兄の南波六太、CG映画「キャプテンハーロック」ではハーロックの声、つい最近ではルパン三世を演じ、わりと無邪気にオタクの神経を逆なでするのでお馴染みの人。

正直、まったく期待できる要素が見当たりません。

ところが、いざDVDをレンタルして観てみたら……、

 

僕の今まで観た全邦画の中で、ベスト級に面白い映画でした。

 

マーベル映画でお馴染みのロゴの奥でコミックがパラパラ捲れる例のアレから、スパイダーマン(サム・ライミ版)のオープニングをまるっとパク…パロディー。
しかもスパイダーマンではクモの巣だった部分がレースになってる芸の細かさに福田監督のセンスが光ります。

原作とは違い、狂介は気弱で喧嘩も弱いという設定。しかし愛子ちゃんのピンチを救うためにビルに忍び込み、変装のために覆面だと思って被ったのパンティーがきっかけで狂介の体全体に力が漲り……。
その全貌が露になった瞬間、

「変態仮面だーーーーーー!」

と。

多分、マンガ版の変態仮面を知る人は全員、心の中でそう叫んだと思います。
それくらい肉体もポーズも完璧。どこから見ても完璧な変態仮面です。
この映画のために主演の鈴木亮平さんは原作を見ながらトレーナーについてハードな肉体改造をしたそうですが、ビジュアル一発で観客を納得させるんだから、スゴイとしか言いようがありません。

 そして、学園を支配するため大金 玉男が送り込んだ改造人間たちとの戦いを経て、最強(狂?)の怪人?、偽変態仮面(安田顕)が登場。

なんやかんやあって、ビルの屋上で変態仮面と直接対決となるわけですが、このシーンは日本映画屈指の名シーンと言っても過言ではないと思います。何よりヤスケンの鬼気迫る変態演技は僕の中で、ヒース・レジャー演じるダークナイトのジョーカーに匹敵するインパクトでした。なんならちょっと勝ってるくらいです。ヤスケンあんたスゲーよ。

ラスト近く、狂介が愛子ちゃんに言うある言葉。
冷静な頭で考えれば実にバカバカしい台詞ですが、それまでの流れもあって泣きそうになりました。
つまり、それくらい完全に福田監督は「HK 変態仮面」の世界に観客を引き込んでいたし、ギャグ映画にも関わらず、『ヒーロー映画』のツボはキッチリ押さえていたんですね。

 もちろん、100点満点の映画ではないです。CGはチープだし、悪ふざけ的な部分も、ストーリー的に粗が見える部分も多々あります。

ただ、低予算のB級映画であることも、この映画に限ってはプラスになってると思います。

 低予算ゆえのチープさが、この作品のチープな世界観と上手くマッチして丁度良い『サイズ感』になってるんですね。

このサイズ感は意外と大事で、制作費が日本とは文字通り桁違いのハリウッドならいざ知らず、大風呂敷を広げたものの中身はスカスカの作品だってありますし。(どの作品とは言いませんが)

さらに本作で素晴らしいのは、主演の鈴木亮平、清水富美加、ヤスケンら役者陣の熱演もさることながら、福田監督の読解力です。

マンガやアニメの実写化が失敗する最大の要因は、監督が原作の上っ面だけを真似て、その作品の「核」の部分を理解してない事です。もしくは元の作品の美味しい部分だけを素材に監督が「自分の作品」に作り変える、いわゆる二次創作をやっちゃったり。(どの作品とは言いませんが)

アニメやマンガの世界やキャラクターを、現実の人間が現実の世界で演じるんだから当然無理は出るわけで、そこを無理なく見せるためにキャラ設定や世界観を変えること自体を、僕は悪いとは思いません。
マンガ、アニメ、小説、実写、それぞれの表現にはそれぞれの文脈と表現の向き不向きがあって、例えばマンガをアニメにするときは、その作品をマンガの表現からアニメの表現に「翻訳」する必要があります。それは実写化も同じ。

その中で原作の文脈を読み取り「核」の部分さえちゃんと描いてくれれば(例え意訳であっても)ファンはその作品を支持すると思うんですね。その為には原作の「核」を読み解く「読解力」が必要なんです。

本作で、福田監督はこの2つの課題を見事にクリアしていました。
なにより、いい大人達がこんなバカバカしい映画を真剣に、カッコよくしようと作っている姿勢(カッコよくは小栗旬さんの希望でもあったとか)がこの映画からは見えるのです。

 

まぁ、僕の勝手な思い込みかもしれませんが。

 

とまれ、以上のことから僕はこう言いたい。

世界よ、これが日本だ! と。
そして、クールジャパンとか言ってる人たちは、まずこの映画を世界に向けて発信するべきだと。

そんなわけで、(個人的に好きすぎてハードル上げすぎちゃったような気もしますが)「HK 変態仮面」はとても面白いです。

興味のある方は是非!!

 

HK/変態仮面 ノーマル・パック[DVD]

新品価格
¥2,550から
(2015/8/1 17:18時点)

 

HK/変態仮面 アブノーマル・パック[DVD]

新品価格
¥4,306から
(2015/8/1 17:20時点)

「dTV」ムゲン楽しい映像配信サービス

 

▼この記事を書いた変態▼