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日刊オレラ

極上のひまつぶせるマガジン!

【映画のこの一曲】『X-MEN:フューチャー&パスト』-Jim Croce「Time in a bottle」【映画紹介】

映画 紹介




今回から不定期ですが新しい切り口で映画紹介記事を書いてみたいと思います。

 

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X-MEN:フューチャー&パスト ローグ・エディション(2枚組) [Blu-ray]

 

 

昨年公開され、先月の15日にちから未公開特別映像や『ファンタスティック・フォー』の最新情報なども収録された「ローグエディション」が発売されている『X-MEN:フューチャー&パスト』。

一度監督を降りたものの、今回再びX-MENシリーズに復帰したブライアン・シンガー監督の手腕が光る本作は、「絶望的な状況でも希望さえ捨てなければ未来は変えられる」という素晴らしいメッセージを含んだ作品でした。

またミュータントキラーのロボット「センチネル」とX-MENの壮絶な戦いや、若き日のエリック(マグニートー:マイケル・ファスベンダー)とチャールズ(プロフェッサーX:ジェームズ・マカヴォイ)との攻防など、アクションシーンも充実していて「X-MEN」ファンのみならず見ごたえがある内容になっています。

そんな本作の中でも、一番カッコよくてスタイリッシュでスマートなシーンと言えばクイックシルバーことピエトロ・マキシモフ(エヴァン・ピーターズ)が活躍する刑務所の厨房のシーン。

このシーンは映像美という観点で言うと本作の白眉と言っても良いと思います。

 

クイックシルバーというキャラクターはとにかく動きが速く、常人の目には動きが見えない位素早く動けるという特殊能力を持っています。

どれくらい速いかというと・・・

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これくらい早いです(笑)。

 

そんな彼がウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の誘いを受けエリックを脱獄させる最中の厨房でのシーンなのですが、

そのシーンは彼の視点で描かれる為彼以外のもの、つまり発射された弾丸やひっくり返る鍋、スプリンクラーの水などの全ての動きがスローになります。

彼にとっては日常的な出来事なので仲間に弾丸が向かっていても、ウォークマンで音楽を聴きながら壁を走ったりして弾丸の軌道を反らし警備員をノックアウトします。

 

このシーンは恐らく観た人に強烈なインパクトを与えたことだと思います。

 

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Jim Croce「Time in a bottle」(1973)

それでは本題に入ります。さて、このピンクフロイドのTシャツの上にジャケットを着たオシャレなクイックシルバー君がここで聴いている曲に注目してみましょう。

 

この曲はJim Croce(ジム・クローチ)という歌手の「Time in a bottle」という曲です。

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この曲はそもそも『You Don't Mess Around with Jim』(1972)というレコードアルバムに収録されていたそうなんですが、アメリカのABCテレビがテレビ映画『She Lives!』(1973)の主題歌として使用したことがきっかけでシングルカットされました。*1この曲の内容は「もし時間を取っておけるならば君の為に取っておいて、それを君と永遠に使いたい」というある人物への思いを綴ったものなんですが、前述した『She Lives!』では主人公の男性が、恋人の女性が電話の交換手をしていることを知っていてわざと掛けて電話口で曲を聴かせるという場面で使われます。*2

 

この二人を彩る演出としてこの曲が使われているのはとてもロマンチックですよね。

 

しかし、この曲はどうやら元は男女の恋愛感情を歌った歌ではないみたいなんです。

というのもこの曲が入ったアルバムがリリースされる一年前、ジム・クローチの妻は妊娠します。この曲はそれを知った彼が生まれてくる我が子を思って作られた曲だそうです。*3

ですがこの曲のシングルカットを待たずして、ジム・クローチは不運にも事故で亡くなっています。

それは彼の息子が二歳の誕生日を迎える八日前の出来事でした。

 

 

さて、話は映画に戻ります。本作品の過去パートの時代設定が1973年ということなので、当時のヒット曲だということでこの曲を使ったという見方が妥当でしょう。

しかし、実はクイックシルバーとマグニートーは原作では親子関係なんです。本作ではその部分はクイックシルバーのエレベーターでのセリフ「俺の母親の知り合いにあんたと同じ(磁力を操れる)能力を持ってるやつがいる」という位に止めているので、明らかにはされません。

まぁもし父親だとしてもエリックが「お前の為に時間を瓶に~」なんて思っていたら相当不自然ですが(笑)。

ブライアン・シンガー監督はどの程度の意図を持ってこの曲をこのシーンで使用したかはわかりませんが、音楽一つで映画の層が更に深まる良い例だと私は思いました。

(単に親子関係だから良いというわけではなく、本作が「時間」がテーマの作品という所も結びつきがあって優れた選曲だと思いました。)

 

 

ちなみにエンディング前のあるシーンで、全てを終えたウルヴァリンが長い眠りから覚める時に掛かっている曲はRoberta Flackの「The First Time Ever I Saw Your Face」(邦題は「愛は面影の中に」、直訳すると「初めてあなたの顔を見たとき」)です。

こちらもラブソングで検索サイトなどで訳詞を調べながら、この曲が誰目線なんかということを思いつつあのシーンを観直すと色々面白いのですが、ネタバレにもなるのでここでは触れないでおきます。

 

 

 今回紹介した曲はどちらもこのサントラCDに収録されています。

Ost: X

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作品情報

 

X-MEN:フューチャー&パスト [DVD]

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X-MEN:フューチャー&パスト [Blu-ray]

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『X-MEN:フューチャー&パスト』

公開年:2014年

監督:ブライアン・シンガー

出演:ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダーなど

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▼この記事を書いた人▼

 

 

*1:そもそもジム・クローチが当時ABCレコード(現在は消滅)というABCテレビと同じ系列のレコード会社に所属していたことが主題歌に使われたことと関係しているかと思われます。

*2:また彼女は実は悪性リンパ腫を患っていてその後のシーンで余命(数ヶ月~数年)を宣告されるので歌詞がより意味深く聴こえます。

*3:参考ー Time in a Bottle - Wikipedia, the free encyclopedia 2015年8月2日閲覧

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