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日刊オレラ

極上のひまつぶせるマガジン!

【スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース】この秋、進化する歌舞伎を目撃しよう!【ビギナーズガイド&Power Push】

まとめ まとめ-エンタメ


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2015年も歌舞伎シーンは新作目白押しで賑やかでした!


六本木歌舞伎『地球投五郎宇宙荒事』


出展:www.youtube.com


歌舞伎NEXT『阿弖流為』

出展:www.youtube.com


新作歌舞伎『あらしのよるに』

出展:www.youtube.com


でも、いちばんのぶっとびぃ~!!な演目は『スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド) ワンピース』ではないでしょうか?!

ワンピース計画が公表されたのが昨年末。
2014年12月27日の記事はこちら。www.kabuki-bito.jp
歌舞伎ファン、ワンピースファン、のみならず日本中が「マジか?!」と震えた年末でしたよね。(言いすぎ?)


つい先月末の記者会見ではそのビジュアルも発表され、いよいよ「あのキャラクターを、ストーリーを、どうやったら歌舞伎にできるの?」と気持ちが昂ぶってまいりました。www.kabuki-bito.jp
ルフィの衣裳・メイクのインパクトはまさにあの効果音「ドン!」といった感じですね。


それでは、以下より自称スーパー歌舞伎・市川猿之助さんファンである私から『私的まとめ&注目ポイント』をお送りいたします。
※あくまで「私的」まとめですので、市川猿之助さん/猿翁さん・Kame Pro Club・おもだか会・オフィスえん・松竹株式会社とは一切関係ありません。
※記事内掲載のブログ「二輪草子」につきましては事前にご連絡の上リンクの許可をいただいています。

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出展:ホーム - 鳥獣戯画制作キット
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そもそも「スーパーカブキ」って何がスーパーなの? しかも「Ⅱ(セカンド)」ってどういうこと?

スーパーカブキの歴史は遡ること29年。
そう、まだ29年なんです。
出雲の阿国から始まる歌舞伎の歴史の長さからしたら、まだほんの爪先ほどの長さの歴史・・・しかし、1986年の初めての上演後には「これが歌舞伎か?!」と大きな衝撃を与えたと言うこのスーパーカブキの様式が、今ではひとつのジャンルを確立しています。

創始者は三代目市川猿之助(現・猿翁)さん。

その第1作目の作品は日本に古くから伝わる伝承を素材とした『ヤマトタケル』。
猿翁さんが、「日本学」で有名な哲学者・梅原猛さんと「古典歌舞伎は義理・人情の物語で現代人には通じにくくなってきている。明治以降の新歌舞伎では音楽と踊りの要素が少ない。今こそこれらの長所を生かした新しい歌舞伎を創造すべきだ」と意気投合したのがきっかけで構想が始まりました。

梅原猛さんが書いた戯曲が電話帳ほどの分厚さとなって猿翁さんの手元に届けられたのは、実に5年後のこと!
でも、それをそのまま演じたら上演時間は膨大なものになってしまう・・・。
そこで、猿翁さんが歌舞伎の演出で約4時間にまとめあげたのでした。


歌舞伎は「分からない」「面白くない」「つまらない」

これを「分かった」「面白かった」「感動した」

に変えるキーワードが下記のみっつ。

1.ストーリー(Story)
2.スピード(Speed)
3.スペクタクル(Spectacle)

この「3S」がスーパー歌舞伎の特徴です。

「歌舞伎とはみずみずしいエネルギーの燃え上がりです」(三代目市川猿之助)


『ヤマトタケル』上演後はこの言葉通りに精力的に新作を発表。
スーパー歌舞伎の名称も定着化していきます。

『龍王』(1989年)
『オグリ』 (1991年)
『八犬伝』(1993年)
『カグヤ』 (1996年)
『オオクニヌシ』(1997年)
『新・三国志I』(1999年)
『新・三国志Ⅱ孔明編』(2001年)
『新・三国志Ⅲ完結編』(2003年)



ちなみに、私の歌舞伎デビューは高1の春で、演目はまさにスーパー歌舞伎『カグヤ』でした。

「歌舞伎なんて見てもわからないんだけど」と思いながら父親に劇場に連れて行かれたものの、

歌舞伎見るの初めてだけど話わかる(台詞が聞き取れる)!
独特の衣裳とメイク、動きがかっこいし、何より女形さんがめっちゃキレイ!
退屈しない舞台進行!

こんな世界があるものかと興奮して帰路についたのを覚えています。

早くも他の歌舞伎も見てみたくなりまして、その年の7月には自らお願いして歌舞伎座~演目は『獨道中五十三驛(ヒトリタビゴジュウサンツギ)』~に連れて行ってもらい、そこでひとり14役の早替わり宙乗りなどエンターテイメント要素万歳の舞台に魅了され、いっきに“猿之助歌舞伎”のファンになったのでした。


このような例もあるので歌舞伎デビューにスーパー歌舞伎というのはひとつのきっかけとして入りやすくオススメです!


そして、『新・三国志Ⅲ完結編』から11年・・・。


四代目を襲名された現・猿之助さんが、三代目の作ったスーパー歌舞伎の志を引き継ぎさらに進化させるべく、2014年3月「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)」を立ち上げます。

セカンド第1作目は『空ヲ刻ム者―若き仏師の物語―』。


●歌舞伎俳優には出せないものを出してもらい、稽古を通じて刺激的な出会いになれば
●どんな俳優さんがやろうが、"歌舞伎の演技法でやれば歌舞伎"という伯父(猿翁)の精神を受継ぎたい

という理由から歌舞伎俳優以外の出演者をキャスティング。(佐々木蔵之介さん、福士誠治さん、浅野和之さん)

より現代的な笑いのエッセンスを入れたりも。

舞台上から激アツメッセージがほとばしり、京劇アクションや大規模な装置、映画的な演出もふんだんに取り入れられた三代目の作品群と異なる印象を受けたのが、感情の爆発もありつつもスペクタクルを盛り込みすぎないシンプルな展開、「作品のテーマは普遍的、メッセージは観る人に委ねられている」ところ。

『空ヲ刻ム者』で言えば主人公はずっと悩んでいます。
時には自暴自棄に陥り、それを乗り越えてひとつの答えを見つけたかと思えば再び別の思いが沸き起こる。
迷い悩み、その都度自らに問いかけ答えを見出していく主人公の姿は「英雄」ではない―日常に生きる私たちにより身近な感覚を持たせてくれました。


そして、第2作目が今回の『ワンピース』。
漫画が原作ということで、また異なる身近さを感じさせてくれると同時に「歌舞伎ってこんなことまでやっちゃうんだ!」という興奮を与えてくれる作品になることでしょう。

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【ちょっと休憩:スーパー歌舞伎映像あり】

スーパー歌舞伎第1作目の『ヤマトタケル』が11月28日より全国の映画館で見ることができます!www.shochiku.co.jp
上記サイトに予告動画もありますので、スーパー歌舞伎の雰囲気をちょっと見してみたい方はリンク先をどうぞ。
(今回上映分は2012年の「二代目猿翁 四代目猿之助 九代目中車 襲名披露公演」時のものです)
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主人公ルフィのほかハンコック、シャンクスを演じる市川猿之助さんはこんな方

父は四代目市川段四郎。
伯父には三代目市川猿之助。祖母には女優・高杉早苗。
九代目市川中車(※香川照之)は従兄弟にあたる。
慶應義塾大学文学部国文科卒業。
 

1980年7月歌舞伎座『義経千本桜』の安徳帝役で初御目見得。


1983年7月歌舞伎座『御目見得太功記』で、二代目市川亀治郎を名乗り初舞台。


2007年NHK大河ドラマ『風林火山』で武田信玄として映像作品に初出演を果たす。


2012年6・7月新橋演舞場「二代目猿翁 四代目猿之助 九代目中車 襲名披露公演」において、四代目市川猿之助を襲名。
日本を代表するアーティスト福山雅治氏がアートディレクターを担当。また、プレイベントとして渋谷ヒカリエで「亀治郎大博覧会」が開催されるなど、なにかと話題の多い公演となった。

立役から女形まで幅広く活躍。確かな実力で、最も目が離せない若手花形歌舞伎役者の一人である。


古典作品はもちろん、2005年7月歌舞伎座 蜷川幸雄演出『NINAGAWA十二夜』
2006年3月パルコ歌舞伎 三谷幸喜演出『決闘!高田馬場』など、新作歌舞伎にも意欲的に取り組む。


活動の場は歌舞伎だけでなく、
栗山民也演出・井上ひさし『雨』、前川知大作・演出『狭き門より入れ』をはじめ、映画『ザ・マジックアワー』『シャッフル』『天地明察』TVドラマ『龍馬伝』(NHK)『ブルドクター』(NTV)『JIN-仁-』(TBS)『寧々~おんな太閤記』(TX)等、数多くの作品に出演している。


~市川猿之助公式サイト プロフィールより抜粋(※は筆者追記)~
https://www.ennosuke.info/profile/


2015年、記憶に新しいところでは
SUZUKI ハスラーJスタイルCM
月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』
バラエティ番組への出演
があります。

また、歌舞伎・舞踊公演は毎月!
365日フル稼働という印象なのが猿之助さんです。

『ワンピース』、私が注目するポイントはこの3つ

私は今回も観劇のためばっちり遠征です\(^ω^)/
最後に、本当に、あくまで私個人として楽しみにしているポイントをピックアップしてみます!


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8月28日にゆず・北川悠仁さんが主題歌提供というニュースが発表になったのは記憶に新しいところです。
(好きな人をどんどん引き寄せてくる猿之助さんの“仲間力”ってルフィと同類だと思います!)

脚本・演出には劇団扉座主宰の横内謙介さん。
先に紹介したスーパー歌舞伎作品群のうち、実に5作品の脚本を書かれた方が11年の時を経て戻ってきました!
そして、福士誠治さん、浅野和之さんは昨年に引き続きの出演。
新メンバー嘉島典俊さんは大河ドラマ『風林火山』で猿之助さん演じる武田信玄の弟役をされていました。
かつて同じ場所で時間を共にした者同士が、それぞれ別の舞台で活躍の後再び集結ってワンピースの「2年後」っぽい!
今回の舞台「頂上戦争編」と時間軸が前後してしまいますが、勝手に妄想を膨らませました(笑)
(配役やストーリーに役者さんのバックグラウンドを重ねてしまうのは観劇好きあるある)

そして、これまでスーパー歌舞伎を創りあげてきたスタッフの皆さん、演じてこられた一門・他の皆さん。
市川男女蔵さん、坂東巳之助さん、中村隼人さん、市川蔦之助さん、市川竹之助さん。
9月19日に配役情報が追加されました井之上チャルさん、市瀬秀和さん、石橋直也さん、三笠優さん、穴井豪さん・・・。
みんな揃って麦わらの一味。

この一味の大航海を、早く目撃したい!


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さて、私はとあるロックバンドのファンでもあるんですが、数年前からメディア露出、フェスへの出演を増やしてからいっきにファン層が変化しました。
それまではパッと見で年齢層やや高めの女性ファンが多かったのに、今では若い男の子女の子もたくさん。上はオトーサンオカーサン世代、それ以上まで?!
きっかけひとつで、こんなに大きな変化が起こるのかとびっくりしたものです。

これを踏まえて、国内外・老若男女問わずファンを持つ『ワンピース』、同じような変化が歌舞伎界に起こるんじゃないかと予想。
ジャンプファン、ゆずファン、演劇ファン・・・今回の新橋演舞場にはいつもの歌舞伎公演にはあまり見ない層の方が増えそうです。
ロビー観察が楽しみ(劇場に行くとロビー観察をしてしまう、というのも観劇好きあるある・其の2)。

ということは、逆に、今まで「歌舞伎って見てみたいけどなんだか敷居が高い感じだし、劇場に行くのもちょっと気後れする・・・」て思っていた方にとっては気軽に劇場に行けるチャンスなんじゃないかと思うわけです。

また、この記事を作成するのに松竹さんサイトをいろいろ見て回っていて新たに知ったのですが、子育て世代のママさんパパさんのために2013年より託児サービスが開始されています!
「観に行きたいけれどまだ子どもが小さいから・・・」「上の子はお座りしてお芝居を見れる年だけど下の子はまだまだ・・・」という方はこちらのサービスを利用されてみては。
※事前予約が必要です。www.kabuki-bito.jp

お子さんと一緒に観劇をされる方は、猿之助さんがインタビューで言及されていた「お子さんにも楽しんでもらえる仕掛け」(市川猿之助「歌舞伎は『ONE PIECE』を上演するのに一番ふさわしい演劇形態」スーパー歌舞伎II『ワンピース』の詳細が明らかに! | マイナビニュース参照)が楽しみですね。
すっかり大人の私も、いつもサービス精神メガ盛りな演出をされる猿之助さんなだけに期待が膨らんでいます。


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登場人物たちの動き、特にそれぞれの悪魔の実による技が歌舞伎ではどう表現されるのか?
繊細で柔らかい所作もあればダイナミック、アクロバティックな型もある歌舞伎の動き。
生身の人間から発せられるエネルギーが形作る、身体の“美”、型の“美”。


既に公開されているルフィ以外の人物の衣裳は?
猿翁さんはかつて「スーパー歌舞伎は4時間のファッションショー」と表現されていました。
きらびやかで大胆なデザイン、衣裳の“美”。


歌舞伎ならではの決まりごと。
女性の役も男性が演じます。
男性が演じるからこそ理想の美しさが強調される、女形の“美”。
特に、代々の猿之助が立役(男役)をメインに演じてこられたところ、女形を得意とし芸を継承されてきた四代目のハンコックがいちばんの楽しみです。
メロメロにされたい♡


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江戸の昔、お芝居を観に行くのは一日がかりの一大イベントでした。
実際に起こった事件や流行りものがお芝居になったりして、「今度はあれが芝居になったぞ、どうなるどうなる?」とわくわく。
芝居小屋ではお弁当を食べながら贔屓の役者さんの出番にわくわく。
日頃の生活を忘れてわくわくできるのが歌舞伎。


そんなわくわくを平成の今に感じる。




ということで―

私自身、とても楽しみにしているお芝居なのでいろいろと綴ってしまいましたが、

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』のいちばんの楽しみ方は


「考えるな、感じろ!」


これだろうな!と思います。




長々とお付き合い、ありがとうございました。

公演情報はこちらから!

上演は10月7日~11月25日、東京・新橋演舞場にて。onepiece-kabuki.com
2016年3月、大阪公演も決定しました!



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【スーパー歌舞伎に興味がわいてきた方におすすめブログ】

なんとなく興味がわいてきたかも?
というあなたへは今回の『ワンピース』に出演される市川猿三郎さんのブログがおすすめです!
ワンピースのお稽古状況、作品について・・・わかりやすくやさしい文章で綴られています。
つい先日からブログテンプレートが世界地図に変更されていて“ワンピース仕様”になっています。
歌舞伎全般ついてもたくさんのエピソードが綴られていますので、ぜひ過去記事を遡ってみてください。blogs.yahoo.co.jp
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文中イラスト素材出展:物書きさんのための素材 モノクロ版 1|あおば|note



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市川猿之助さん一門大好きなオレラっこです。
今までの観劇メモはこちらからどうぞ。shiba-fu.hatenablog.com

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