日刊オレラ

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【オレラ企画!】 オレラ映画ライター感想対決(前半) 『クレヨンしんちゃん ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』(2014)



ぷらすです。
日刊オレラには二人の映画ライターがいます。
一人はボク 青空 ぷらす、もう一人は烏之介です。

9月にそんな僕ら+『オレラの姐さん』たまさき りこ+『電線萌えの人』植木まみすけの四人で映画対談という企画をやらせて頂き、読者の方にも大変ご好評頂きました。

 

 

 

オレラ読者の皆さんはご存知かもですが、二人が映画を紹介するスタイルもスタンスも全く違うんですね。
そこで、オレラ映画企画第2弾として「二人で同じ映画を観て、感想を書いたらどうだろう?」という話になりました。

つまり、ひとつの紙面に二人の感想を同時に載せちゃおうという企画です。
更に、前半と後半2回に分けて、前半はアニメ・後半は実写のオススメ映画の感想を書いていきます。

果たして需要があるのかないのか分かりませんが、タイプの違う二人が厳選した映画の感想を読み比べて頂き、年の瀬の忙しいひと時に観るDVDの参考にして頂ければ幸いです。(*´∀`*)ノ

と、前置きが長くなりましたが、今回僕らがオススメする映画は昨年公開されたアニメ『クレヨンしんちゃんガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』ですよー!

 

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画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第22作目。
ある日、改造手術でロボットにされたしんのすけの父親、ヒロシが家族を守るため活躍する様子を描く。
脚本は、過去に臼井儀人の担当編集の経験があり『天元突破グレンラガン』や『仮面ライダーフォーゼ』などを手がけた中島かずき。監督は『クレしんシリーズ』に長らく関わってきたが今回がシリーズ初監督の高橋渉。

 

あらすじ

ぎっくり腰で腰を痛めたヒロシは謎の美女に誘われ、マッサージも兼ねてメンズエステの無料体験を受ける。家に帰ったヒロシは、自分がロボットに改造されていることに気づきビックリ!
それは、邪険に扱われる日本の弱い父親達の復権を企てる『父ゆれ同盟』の恐るべき陰謀だった。

 

青空 ぷらすの感想

『クレしん』というフィールドを徹底的に遊び倒す作品

僕はクレしん世代ではないので、クレしんについてはあまり詳しくありません。
劇場版も、ちゃんと見たのは原恵一監督の『~オトナ帝国の逆襲』と『~アッパレ! 戦国大合戦』の2本だけなんですね。(どちらも傑作ですので未見の方は是非!)

で、久しぶりに観た劇場版シリーズの本作なんですが……。

とても面白かったです!

いわゆる『クレヨンしんちゃん』のフォーマットの中に、SFや謎解き、感動やロボットアクション? に、もちろん笑いと沢山の要素を詰め込みながら、ゴチャゴチャせずに、大人も子供も楽しめるエンターテイメント作品になっていたと思います。

もちろん、ツッコミどころはたくさんあるし、『クレしん』でなければ成立しない内容ではありますが、元々が『なんでもあり』のクレしんというフィールドを活かしながら、これだけ楽しませてもらえれば十分じゃないかと。

劇中、ヒロシがロボとーちゃんになっちゃった時は「おいおい、これどうやってオチをつけるんだ!?」といらない心配をしてしまいましたが、まさかの展開からの見事な着地に「そうきたか!」と拍手喝采ですよ!

特に(ネタバレになるので詳しくは書けませんが)劇中何度か登場する腕相撲のシーンの使い方は、最高に切なくて熱くて、恥ずかしながら泣いてしまいました。(〃ω〃)>テヘ

結局のところ子供向けアニメの劇場版って、その作品の制約や枠組みのなかでどれだけ出来るかの勝負みたいなところがあって、そこがスタッフの腕の見せどころでもあると思うんですが、本作は見事なバランスで面白い『クレヨンしんちゃん』を観せてくれたと思います。

クレしんというと、子供向けのアニメだからと敬遠される方もいらっしゃるかもですが、そんな方にこそ観ていただきたい作品でしたよー!

興味のある方は是非!

 

 

 

烏之介の感想

(※ここからはネタバレを含みますので、これから観ようという方は先に作品をご覧になることをお薦めします。)

「自我問題」を超えた、新しい家族の形

ロボット(アンドロイド)をテーマにするアニメ作品において「自我」というのはとても重要な要素です。『鉄腕アトム』や『攻殻機動隊』などの作品でもロボットに自我はあるのか、自我はどういう存在なのかという点は取り扱われてきました。

さて本作では主人公のしんのすけの父であるひろしだと思い込ま(それまでの記憶をコピー)されて作られたロボット、ロボひろしが登場しますが物語中盤まで作品内のキャラクターも観てる側も本物のひろしだと思っています。しかし本物のひろしは実は眠らされていてロボひろしはひろしのコピー、つまり偽物だということが分かります。とは言えそれまでひろしだと思って観ていたので観ている側は半信半疑ですし、何よりロボひろし自身は自分が本物だと疑っていません。本作はこのひろしとロボひろしが邂逅するシーンで意図的に観客を混乱させていますし、「その人と全く同じ中身を持ったロボットをロボットとして扱うことが出来るか?」という問題提起を暗に示しています。

この様な子供向けアニメ作品とは思えない程踏み込んだ内容を、子供向けアニメ作品として不自然になることなく作り上げられているという時点で素晴らしいです。しかし「ロボットには自我がある/ない」「父親だと認める/認めない」「本物/偽物」といった二択で結論付けるのではなく、その一歩前に進めている所が本作が更に素晴らしい所だと思います。

物語終盤、ロボひろしの「俺は(父親とは)違う」という言葉をしんのすけは否定し、どちらも自分の父親だと言います。

「とーちゃんもロボとーちゃんも、どっちもオラの大好きなとーちゃんだ!」

しんのすけが叫ぶこのセリフは、様々な事情から片親だったり実の親とは別の親と現在暮らしていたりする子供に向けてだけでなく、全ての「変わった」家族*1に向けての救いの言葉だと思います。

 

また、本作では父親の存在が重要なポイントとして描かれるのですが、序盤まさにロボットとして使われるひろしが突然豹変して家庭内の立場が逆転して見せることで、子供達に「どちらも何かおかしい」ということをセリフに出さずに示している部分なども巧みな表現方法だと思いましたし、教育的にも良い作品だと思いました。

最後になりますがこの作品がなにより素晴らしいのはこのようなことを気にしなくても十分楽しめるという所です。いつものギャグが面白いことはもちろん、巨大ロボットのバトルシーンなどは観ていて気持ちが良いアニメーション表現がされているので未見の方にはお薦めしたい作品です。

 

 

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さて、そんな訳で二人の感想は如何でしたでしょうか?
お互い、全く違う視点で本作を観ているのが分かっていただけたんじゃないかと思いますが、それでも二人に共通しているのは、本作はオススメだということです。

そんな訳で『クレヨンしんちゃんガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』

是非、ご家族でご覧いただけたら嬉しいです! 

 そして、次回は後半『実写映画紹介』ですよー!
ホストは、烏之介が担当します。
みなさんお楽しみにー!(*´∀`*)ノシ

 

▼この記事を書いた二人▼

 

*1:ここで例に挙げただけでなく、同性カップルで養子を儲けたり、バイセクシャルで(もしくは同性愛者であることを隠していて)前のパートナーとの間に子を儲けた後、現在同性のパートナーと子供を育てている家庭など、他にも世間に理解されない家庭が存在するからこそ本作のメッセージは素晴らしいと感じます。