先日シネマORERA!!という対談企画で「好きな映画」を語らせていただきました。イラストも出血大サービスで描きまくりでした。いかがでしたでしょうか?
筆者が好きな映画として「大林宣彦版『時をかける少女』」を推薦するに当たって描いた、主人公芳山さん(原田知世)の部屋の鳥瞰図なんですが
全くもって語り足りなかったので、今日はシネマORERA出張版イラストエッセイですよー!
本作は何回もリメイクされていて「時をかける少女」と一言聞くと、皆さん細田守版のアニメの方をパッと連想するかと思うんですが、今回は1983年に制作された大林宣彦版のお話です。(※細田版も超好きです!)推したい箇所山盛りですが、大林版は古い町並み萌えにはたまらない尾道の路地がいっぱい出てきます。
中でも筆者が好きなのは、主人公、芳山さん(原田知世)の部屋なのですが、作中、部屋全体が映るのは地震のシーンの一瞬だけなので、見逃してしまってる方も多いんじゃないかなと思いましたので、再現パースを描いてみることにしました。
ラフですー。
映画を見ながら分かる範囲で部屋の特徴をメモしていきます。3640×3640の床の間含む8畳の木造かなと思います。
1/400スケールで間取りを描いて、一点透視で簡単な鳥瞰図にします。フリーハンドでディティールを描き込んでペンを入れます。
ちなみに地震のシーンでしか見れないショットなので、本編では物が落っこちてきてぶっ散らかってますが、今回、筆者が知世ちゃんの部屋を片づけてしまおう。というドリーム企画のはずが、いざ片付けてみると、これってすかすかじゃないか?大丈夫か?という様相に。間延びしてしまいました。
やっぱりその映画の1シーンの切り取り方1つ1つが素敵で、横からいじらない方がいいんだなぁ。と思いました。
悩む配色…。
再現パースなので、再現したいショットから一回色を吸い出してみます。
シーンが夜なので、夜の分を差し引いて考えてみても、 見事にシックなグレイッシュトーンの配色で。。壁の色のいい感じの雰囲気とかまともに再現出来る気がしません。
悩んだ末、昼配色の明るい感じのパースにすることにしました。
太陽の黄色みを足して、日刺しで濃淡がつく感じの配色にしました。色だけ見るとすごく変えた感じがしますが、部屋全体の印象はそんなに変わらないと思います。
塗りですー。
だいたい配色終わり。最初の配色表だと、私が塗ったら牢屋になるなぁ。と思って焦りましたが、日の光が差し込んで、なんとか楽しい感じのパースになりそうです。
この部屋、簡単にいうと和洋折衷の書院造りって感じなんですが、押入れも珍しくて可愛いです。ふすまはブルーグレーの市松模様で、よくある2枚の縦長のふすまではなく、上下で正方形4枚に分かれています。
人形が全然似なくて胸が苦しいです。
クラシカルなランプが部屋のあちこちに配置してあって雰囲気最高です!
作中、知世ちゃんは弓道部所属なんですが、弓道シーンがおいしすぎて。。この映画は1883年の映画なんだそうですが、知世ちゃんだけ見てると時代とかどうでもよく思えます。
弓道部の道具はデスクの横に置いてあるみたいなので、この辺に描いています。
椅子はクラシカルなデザインのもので統一…してないとこが大好きです!
この部屋で一番好きなとこが、この書院造り風の床の間なんですが。床の間の奥に可愛い窓がついています。夢が膨らみますね!
この知世ちゃんが住んでる部屋の付け書院(?)は上記図示のような形状ではなく。床の間の奥から採光出来る造作となっていて、最高です!
そして、床の間の間仕切りなんですが…。
もう、この辺のディティールの素晴らしさは、私ごときが表現できるわけがないので、気になる方は是非本編でコマ送り頑張ってください(昼のシーンのどこかでもうちょっとわかりやすいシーンがあったと思います)一瞬しか出てきませんが何回も巻き戻してみれば何回でも見れますので!
出来上がり!
簡単まとめ
今回部屋しか語ってないですが、作中、尾道の町並みがふんだんに使われていて、出だしから震えますし、ストップモーションを用いたタイムリープのシーンの途中で出てくる風景描写がカッコよすぎて、毎回毛が逆立ってしまいます。
超能力の特殊効果なんかは、昭和のSF感ばりばりなので、好き嫌いもわかれるかと思うんですが、主人公は時代を超えて特化した存在である知世ちゃんが演じていますし、町並み萌え属性のある方は特にこの尾道感を前にするとSFシーンの昭和っぽさなんてどうでもよくなりますよ!
対談後、青空ぷらすさんが観返して、素晴らしいレビューを上げてくださってますので、ストーリーやテーマなどを確認してから観たい方はこちらへどうぞ!
この作品に対する気持ちを一言で表現すると大林監督、ロマンをありがとうございます。です。この部屋に住む女の子像は、時代を超えて衝撃的だと感じます。
最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
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