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あらすじ
中産階級の夫と結婚し、一人の娘を持ったナミ(ユ・ホジョン)は文句の無い生活を送っていたが、繰り返される平凡な日々に自分を見失いかけていた。そんな時、母親の入院する病院で偶然高校時代の同級生チュナ(ジン・ヒギョン)と出会う。現在は会社の社長を務めるチュナは末期のガンに侵されていた。そんなチュナが最後の願いとしてナミに伝えたことは当時学校で仲の良かったグループ「サニー」のメンバーを集めることだった。
ポイント
輝かしい80年代
本作は現在と過去(高校時代)の2つのパートに分かれてストーリーが進んで行くのですが、その対比がとても上手く描き分けられています。ナミを初めとする「サニー」のメンバーは現在では誰もが無機質な生活を送っているのですが、それが過去の場面に切り替わると登場人物だけでなく画面全体が華やぐ様な豊かな彩りを見せます。
うっすらと滲む「男性優位社会」
本作はほとんど女性しか登場しないのですが、それなのにも関わらず男性の存在を確かに感じます。本作に限らず韓国映画には至る所に男性優位社会と支配された女性が描かれます。それはもちろん現実の反映なのですが、必ずと言って良いほどそれが「幸せなこととして描かれない」という所に本作を含めた韓国映画界の監督たちのメッセ―ジを感じます。
過去と交錯する現在
いくら過去が輝いて見えても、目の前にあるのは灰色の現実でそのことは変わりません。しかし、過去を振り返り「出会うことの無かった」仲間と再び出会うことで現在の彼女達も色づき始め、死んだような生活に人間らしさが戻ってきます。
懐かしい名曲
本作の良さを語る上で、音楽は外せません。グループの名前にもなっている「サニー」はボニーM.の「Sunny」から。
この曲をメインテーマに持ってきただけでも作品の魅力をグッと上げているのですが、他にも挿入曲として流れるシンディ・ローパーの「Girls Just Want To Have Fun」や「Time After Time」などの80年代の名曲が、当時の雰囲気をより感じさせる演出として使用されています。
最後に
本作はただ過去を振り返って懐古する作品ではなく、振り返った後で目の前にある今も見つめ直す非常に良い作品になっています。
彼女達は何故今まで離れ離れになっていたんでしょうか。そして、ナミは「サニー」のメンバーを集めることが出来るのでしょうか。
高校時代の彼女達の可愛さだけでもとにかく一見の価値があります。女性だけではなく男性も感動出来る『サニー 永遠の仲間たち』、是非ご覧ください。
作品情報

サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: Blu-ray
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『サニー 永遠の仲間たち』
公開年:2014年
監督:カン・ヒョンチョル
出演:ユ・ホジョン、ジン・ヒギョン、シム・ウンギョン、カン・ソラほか
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