こんにちは、無一です。
こちらの記事でもご紹介させていただいたスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)ワンピースが大好評のうちに幕となり早数日・・・。
私は2回観に行きましたが、「セカンド」の世界をいちど体験しどっぷりとハマってしまった方の中には上演中の2ヶ月間、毎週のように劇場に通われていた方もいらっしゃったようで京都住まいの私としては羨ましい限り。
でも!
ワンピースが終わっちゃって寂しい・・・という方も、観に行きたかったけど行けなかったという方も、11月28日(土)から1週間、全国の松竹系映画館で『シネマ歌舞伎』でスーパー歌舞伎が上映されますよー!
出典:シネマ歌舞伎 | 松竹
『シネマ歌舞伎』って何?
歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するという、松竹が開発した「美」と「臨場感」に徹底的にこだわった映画とは全く異なる新しい映像作品。
映画館で毎月、歌舞伎が見れるんです!
歌舞伎座や新橋演舞場その他、各地の劇場に行くのは気持ち的に敷居が高いな~、距離的に行くのが難しいな~という方にもってこいです。
そして劇場だと舞台から近い席遠い席があったりしますが、映像なら見せ場はアップでしっかり鮮明に見えますし、客席からは見えない角度から撮られている場合もあるのでそこもまたよいところです。
さらに、チケットは大人2,100円(税込)、学生・小人1,500円(税込)と劇場価格よりもお安い!
こういうところも気軽に歌舞伎を体験できるポイントです。
お芝居はやっぱり劇場で!生で観るのがいちばん楽しい! と私も思いますが、その楽しい時間をめいっぱいの技術でパッキングしてくれているシネマ歌舞伎もいちど体験してみる価値ありと思ってます。
スーパー歌舞伎の原点『ヤマトタケル』
(スーパー歌舞伎の)創始者は三代目市川猿之助(現・猿翁)さん。
その第1作目の作品は日本に古くから伝わる伝承を素材とした『ヤマトタケル』。
猿翁さんが、「日本学」で有名な哲学者・梅原猛さんと「古典歌舞伎は義理・人情の物語で現代人には通じにくくなってきている。明治以降の新歌舞伎では音楽と踊りの要素が少ない。今こそこれらの長所を生かした新しい歌舞伎を創造すべきだ」と意気投合したのがきっかけで構想が始まりました。梅原猛さんが書いた戯曲が電話帳ほどの分厚さとなって猿翁さんの手元に届けられたのは、実に5年後のこと!
でも、それをそのまま演じたら上演時間は膨大なものになってしまう・・・。
そこで、猿翁さんが歌舞伎の演出で約4時間にまとめあげたのでした。
歌舞伎は「分からない」「面白くない」「つまらない」
これを「分かった」「面白かった」「感動した」
に変えるキーワードが下記のみっつ。
1.ストーリー(Story)
2.スピード(Speed)
3.スペクタクル(Spectacle)この「3S」がスーパー歌舞伎の特徴です。
出典:http://orera.hatenablog.com/entry/2015/09/23/170735
この『ヤマトタケル』こそ、今回上演された『ワンピース』も含めたスーパー歌舞伎の原点。
再演に再演を重ねて作り上げられてきたこの作品、四代目猿之助さんを主役としてスーパー歌舞伎としては初めてシネマ歌舞伎になった作品です。
『ワンピース』で観たあのシーン、あの手法が今からずっと以前にもう使われていた!
というか、それも江戸時代から使われていた手法を使っているんですけどね!
そして、『ワンピース』にも出演された役者さんも、もちろん、たくさん出演しています。
『ヤマトタケル』をご覧になって「ああ、このシーンのことか~」「こっちの○○さんも素敵~」などなど、たくさん発見していただきたいです(`・ω・´)
あらすじ、上映劇場等の情報はこちらのサイトをどうぞ。www.shochiku.co.jp
(注)スーパー歌舞伎は通常の歌舞伎よりも上演時間が長いため、チケット料金が大人3,100円(税込)、学生・小人2,000円(税込)になっています。
ルフィ、サンジ、ゾロ・・・あの役者さんたちを別の舞台でも観てみたい! この冬の舞台情報はこちら
歌舞伎役者さんて、本当に毎月休みなく舞台にでておられるのでここでご紹介するのも“一部”になってしまうのですが私の注目舞台はこちらです。
あらすじ、劇場アクセス、チケット情報はリンク先をご参照ください。
12月 国立劇場 東海道四谷怪談
サンジ他を演じた中村隼人さん出演。
ワンピース歌舞伎が終わった1週間後にまた次の舞台ですよ?!
本当に、歌舞伎役者さんのスケジュールって鬼すぎる・・・。
赤穂浪士討ち入りを題材にした『仮名手本忠臣蔵』の世界を用いた外伝という体裁で書かれたおはなしです。
これを討ち入りのあった12月に上演というところが、いいなー。
2等B席2,600円(学生1,800円)、3等席1,500円(学生1,100円)なんてお席があるのも嬉しい。
1月 浅草公会堂 浅草新春歌舞伎
中村隼人さん、ゾロ他を演じた坂東巳之助さん出演。
ワンピース歌舞伎で大活躍だったお二人のほか、今、注目の花形歌舞伎役者が勢ぞろいです!
公式サイトを見てびっくりしてくださいよ~。
アイドルかっ?! というキラキラビジュアルのチラシです!
だがしかし、その第一印象に間違いなし!
劇場で美しく、瑞々しい彼らのエネルギーを浴びているうちに、もう彼らしか目に入らなくなっちゃいます・・・きっと。
まさにアイドル。
昼の部の大きなみどころは『三人吉三巴白浪』。
吉三という同じ名を持つ三人の盗賊が出会う、物語の発端となる「大川端庚申塚の場」の上演です。
シネマ歌舞伎版で、役者さんも異なりますが、おはなし全体のあらすじやみどころがわかりやすく解説されたこちらのサイトもご参考にどうぞ。
夜の部の『義経千本桜』の「川連法眼館の場」ではチョッパー登場シーンの元ネタも見れますよ。
1月・2月 元禄港歌 -千年の恋の森-
ルフィ他を演じた市川猿之助さん、ジンベエ他を演じた市川猿弥さん、青雉他を演じた市瀬秀和さん、それからそれから・・・ワンピース歌舞伎に出演されていた方がたくさんご出演です。
猿之助さんが演じるのは瞽女(盲目の女芸人)の座元・糸栄。
女方での出演です。
ワンピース歌舞伎でのハンコックの美しさ再びですよー!
想像するだけでメロメロになりそう♡
1月は東京、2月は大阪で公演です。
2月 無限の住人
近頃では木村拓哉さん主演で映画化が話題の『無限の住人』・・・こちらは歌舞伎ではなく、漫画の舞台化です!
花道でバック転したり、マグマ軍団だったり、ワンピース歌舞伎のアクションシーンを支えてくださっていたスーパーボディ大谷秀一郎さん、山口真弥さんが出演。
ワンピース歌舞伎、さまざまなジャンル・フィールドの役者さんが集まってできた作品でした。
※こちらは歌舞伎作品ではありません。
もちろん、この他にも歌舞伎公演は行われています。
歌舞伎の公演、こんなにたくさんの場所で、頻度で行われているってご存知でした?
この役者さんはテレビや雑誌で見たことある、お話のあらすじがおもしろそうかも、ピンときた公演にいちど足を運んでみると新しい世界が開けるかも。
公演内容の詳細は各リンク先をご確認ください。。。
ラジオ、本で感じる歌舞伎
やっぱり映画館や劇場まで出て行くのは難しい・・・そんな時は手の届く範囲から楽しむのがお気楽、お手軽です。
【ラジオ】邦楽ジョッキー DJ・中村隼人さん
www.nhk.or.jp
ちょっとラフな古典芸能番組。
隼人さんの歌舞伎話や旬のゲストとのトークとともに、邦楽の演奏が聴けて日常の中で“和”の気分に浸れます。
Pen(ペン) 2015年 7/1 号 [そろそろ、歌舞伎でも。]
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図版、写真いっぱいで解説される歌舞伎の歴史、歌舞伎の家系図、マンガで歌舞伎座での1日を体験、周りの人にはなかなか聞けない観劇の上での基本の「キ」、代表的な演目や劇場の紹介などなど。
これを読んだら、町へ出たくなってくることうけあいです。
その際には「書は捨てず」、バッグに入れていってあげてくださいねー。
冬が過ぎれば、再び航海のはじまりです
今回も長い記事になってしまいました。
1周まわって「やっぱりワンピースが観たいんじゃー!」と地団駄を踏んでるオレラっこの皆さん。
2016年もワンピース歌舞伎に出逢えます。
【3月 大阪】
www.kabuki-bito.jp
【4月 博多】
www.kabuki-bito.jp
歌舞伎の知識なんてなくてもめっちゃ楽しめますが、「スーパー歌舞伎」でない歌舞伎を観てから行くのもまた新たな発見があって面白いかもしれません。
来年の事を言うと鬼に笑われますが、皆さんも大笑いされながら冬のおでかけに思いを馳せてみてください!
※あくまで「私的」まとめですので、当方、各出演者様・松竹株式会社とは一切関係ありません。
▼▼▼既に新春浅草歌舞伎、元禄港歌のチケットを取って鼻息荒く2016年を心待ちにしているアカウントはこちら▼▼▼shiba-fu.hatenablog.com